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第10回勉強会 2026.2.21

大谷さんを講師に迎えて、「FPとしての雇用保険の活用法」について勉強いたしました。


雇用保険法の目的と全体像

  • 目的条文の重要性:

o   雇用保険法の目的条文は、なぜ雇用保険が存在し、何のためにあるのかを定義しているため重要である。

o   失業した場合のリスク対応(失業保険)は目的の一部に過ぎない。

  • チャレンジを支える目的:

o   目的条文には、労働者の「チャレンジを支える」という目的が明記されている。

o   教育訓練や子どもの養育、介護なども雇用保険の目的範囲に含まれており、これらが各種給付制度の根拠となっている。

  • 対象者:

o   原則として、働いている人全員が対象となる。

o   1週間の所定労働時間が20時間以上、かつ31日以上の雇用が見込まれる場合、パートタイムなど名称を問わず適用される。

雇用保険の給付制度概要

  • 給付の分類:

o   雇用保険の給付は、主に「失業等給付」「求職者支援事業」「育児関連給付」などがある。これらは労働者個人に対する給付である。

o   その他に、雇用主側を対象とした「二事業」(雇用環境整備や労働者育成への援助)も存在する。

  • ライフイベントとの関連:

o   雇用保険は、育児、スキルアップ、転職、介護、再雇用など、人生の様々なライフイベントで活用できる。

o   FP試験の範囲は狭いが、実際には広範な領域をカバーする重要な制度である。

ケース1:失業時の給付(求職者給付)

  • 基本手当(失業保険):

o   自己都合退職か、倒産・解雇かによって給付日数が異なる。

o   自己都合の場合、勤続20年以上で150日。

o   倒産・解雇の場合、年齢によって日数が異なり、45歳~60歳未満(勤続20年以上)では最大330日となる。

  • 受給上の注意点:

o   給付を受けられる期間は離職から1年間であるため、手続きを先延ばしにすると、給付日数が残っていても全額受給できない場合がある。

  • 基本手当の日額:

o   離職前6ヶ月間の平均月給の約50~80%が目安となる。

  • 早期再就職時の手当:

o   早期に安定した職業に就いた場合、「再就職手当」などが支給される。

o   再就職手当は、支給残日数に応じて、残っていた基本手当の一部が支給される仕組みである。

o   再就職後に賃金が低下した場合、「就業促進定着手当」が利用できる場合がある。

65歳以降の離職と給付

  • 高年齢求職者給付金:

o   65歳を超えて離職した場合、基本手当ではなく「高年齢求職者給付金」が一括で支給される。

o   給付日数は被保険者期間に応じて最大50日となり、65歳前の基本手当より大幅に少なくなる。

  • 退職時期の判断:

o   給付日数だけで損得を判断せず、継続雇用による収入増なども含め、総合的に考える必要がある。

ケース2:スキルアップをしたい時の給付

  • 背景:

o   将来への不安から、社外でも通用するスキルを身につけたいと考える若手・中堅社員が増えている。

  • 教育訓練給付制度:

o   このような場合に「教育訓練給付」を活用できる可能性がある。

o   「専門実践教育訓練」「特定一般教育訓練」「一般教育訓練」の3種類がある。

o   最も馴染み深い「一般教育訓練」では、教育訓練経費の20%(最大10万円)が補助される。社労士講座なども対象になる場合がある。

  • 受給要件:

o   雇用保険に1年以上加入しており、過去3年以内にこの給付を受けていないことが条件。毎年は受給できない。

o   受給資格の有無はフローチャートなどで確認が必要。

雇用保険未加入者向けの支援制度

  • 求職者支援制度:

o   離職者など雇用保険に加入していない人向けの補助制度。

o   収入が月8万円以下など、経済的に厳しい状況にある人が対象。

  • 手厚い支援内容:

o   職業訓練受講手当として月額10万円が支給される。

o   訓練施設への交通費として「通所手当」、遠方で宿泊が必要な場合は「寄宿手当」も支給される。

育児休業時の給付金について

  • 制度の背景と動向:

o   少子化対策の一環として、育休関連の給付制度は近年手厚く、細分化されている。

o   日本の育休制度は日数や金銭面で海外と比較しても優れている部分が多いが、利用しにくいという運用面の課題がある。

o   男性の育休取得率は上昇傾向にあるが、5日未満の短期間取得がほとんどである。

  • 育児休業給付金の概要:

o   育休開始から最初の180日間は給与の67%、それ以降は50%が支給されるのが基本。

o   産後パパ育休(出生時育児休業)により、最初の4週間は給付率が80%に引き上げられた。

o   給付金は社会保険料や所得税が免除されるため、給付率80%の場合、手取りはほぼ100%に近い水準になる。

  • 育休取得のモデルケース:

o   母親は産後8週間の産後休業が義務付けられており、その後育休を開始する。

o   父親は、子が生まれてすぐの4週間に給付率80%の育休を取得し、一度復職後、再度育休を取得するなど分割取得が可能になった。

  • 育休期間の延長:

o   育休は原則として子どもが1歳になるまで。

o   保育園に入れない場合、1歳6ヶ月まで、さらに2歳まで延長が可能。

o   父母ともに育休を取得する場合、「パパ・ママ育休プラス」制度により、子どもが1歳2ヶ月になるまで休業できる。

  • 支給額の計算:

o   支給額は、育休開始前6ヶ月間の月給を基に計算されるが、上限額がある。

o   社会保険料などは免除されるが、住民税は課税対象となる。

介護が必要になった際のサポート(雇用保険)

  • 介護休業制度:

o   対象家族1人につき通算93日を限度に3回まで分割して取得可能。これは介護対象者の状態に波があることに対応するため。

o   支給額の計算方法は、育児休業給付と同様。

定年再雇用時のサポート(雇用保険)

  • 背景:

o   少子高齢化による労働力低下に対応するため、定年延長や再雇用が進んでいる。

  • 高年齢雇用継続給付金:

o   再雇用時に賃金が75%未満に低下した場合、最大で賃金の10%が補填される。

o   以前の15%から10%に引き下げられている。

  • 高年齢再就職給付金:

o   60歳以降に再就職した場合に適用される。

  • 注意点:

o   これらの給付金は、在職老齢年金など他の手当と併給調整される場合がある。

多様な働き方と同一労働同一賃金

·       パートタイム・有期雇用労働法に基づき、同じ仕事内容であれば、雇用形態に関わらず同じ賃金を支払うべきという「同一労働同一賃金」の原則がある。

·       制度の適用は「パートタイム」「アルバイト」といった名称ではなく、実態に基づいて判断される。

社会保険労務士(社労士)の役割と資格について

·       社労士は、お金や労働環境の問題を含め、人の人生に密接に関わる仕事である。

·       FP資格と親和性が高く、両方を持つことで相談に応じられる幅が広がる。

·       資格試験の勉強時間は約1000時間と言われ、難易度が高い。「一般常識」科目は名称と異なり難関。

質疑応答

·       傷病手当金と失業保険の切り替え: 明確な基準はなく、傷病手当金は最長1年6ヶ月受給可能。

·       介護休業の分割取得: 93日の限度内で柔軟な分割取得が可能。

·       介護休業給付金の支給額: 月額には上限が設定されているため、給与が高い場合は注意が必要。

 
 
 

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