第7回勉強会 2025.10.18
- 栗原 正明

- 10月25日
- 読了時間: 5分
🌿 SGきちこがLIFE 第7回勉強会ご報告
テーマ:「失敗しない投資信託選びのポイント」
講師:増田 真也さん
第7回勉強会は、投資信託選びのポイントに関し勉強しました。是非お目通しください。
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「失敗しない投資信託選びのポイント」
2025年10月18日講師: 増田さん
Summary
本講義は、失敗しない投資信託選びと長期資産運用の実務を、ゴールベースアプローチを軸に体系化。長期・積立・分散を土台に、目的・ゴールに適合した商品選択、コスト構造の理解(アクティブ/インデックス、ノーロード、信託報酬)、ファンドの安全性(販売会社・運用会社・受託者の分業と信託銀行の分別管理)、市場イベントへの対処(暴落頻度・回復期間、上昇日の取り逃しリスク)を具体的データで解説した。インフレ環境下の資産配分、シャープレシオによる投資効率評価、REITの金利感応度、ゴールドの希少性と有事耐性、世界株式の米国優位と「マグニフィセント・セブン」の重要性、NISA・iDeCoの税制メリット活用も網羅。毎月分配型の元本払い出し問題、為替ヘッジコスト、リバランスと逆張り戦略、MRFの実務活用など「やってはいけない」と「やるべき」を明確化し、最後に具体的な課題と次回相談会の案内を行った。
Knowledge Points
1. 講師の背景・専門領域
· みずほ証券勤務(旧和光証券合併後)。支店営業・営業企画・検査・本社・支店長を歴任。現在は人事部で若手育成(ロープレ指導多数)。
· テクニカルアナリスト資格、セミナー登壇多数。メンタルヘルス・カウンセラー資格を有し、教員向けカウンセリングも実施。
· 私生活では料理と登山(来月天城山予定)。過去にマラソン経験。
2. ゴールベースアプローチによる設計と基本心得
· 目標達成を最優先し、期間・必要利回りから逆算して資産配分・商品選定・リスク水準・積立額を設計。10年目標が前倒しで達成されたらリスクを落とすなど「欲張らない」運用。
· 長期・積立・分散は不変の原則。手数料・コスト、余裕資金で投資、リスク理解を徹底。
· ゴール別にリスク許容度を調整(例:教育資金5年は高リスク回避、老後資金20年は一定のリスク許容)。
3. 投資信託の仕組み・安全性
· 販売会社(証券/銀行)は販売・事務、運用会社は売買指図、受託者(信託銀行)は資産の分別管理。証券会社破綻時もファンド資産は信託で保全。
· 顧客資産は分別管理され、万一の不足時は1顧客あたり1,000万円まで保険枠組み。
4. 市場実務の変化とMRF
· ユニット型からオープン型中心へ移行し、運用品質が改善。
· MRFは証券会社の「普通預金」的役割。短期国債等で運用、元本割れ事例なし。銀行定期より有利なケースがあり、総合口座で自動適用。
5. コスト構造:アクティブ vs インデックス
· アクティブ:販売手数料約3.3%、信託報酬1.2~1.7%(監査等込み年1.8%想定)、留保額0~0.3%。初年度合計約5.1%、5年累計約12.3%。
· インデックス:指数連動の厳密性が品質。販売手数料0~1.1%、信託報酬0.143~0.55%程度。低コストが長期に有利だが「安さのみ」ではなく連動性を重視。
6. 長期投資の統計・イベント対応
· 保有期間が長いほど損失確率が低下(20年で年率2~4%に収れん傾向)。
· 暴落は約3.5年に1回。リーマンは-50.9%から37ヶ月で回復、コロナは-23.9%から15ヶ月で回復。「暴落はチャンス」と捉え、長期方針を維持。
7. タイミングの難しさと継続投資
· S&P500の上位上昇日を逃すとパフォーマンスが激減。タイミング狙いは非現実的で、継続投資が合理的。
· 一括より分割購入を推奨。信頼ファンドは下落時に買い増し、熱狂期の高値掴みに注意。
8. インフレ環境下の資産運用
· インフレ3%で現金の購買力は10年で約74%に低下。実質金利がマイナスの局面では現金は目減り。
· 対応資産:変動金利個人向け国債、外貨預金・外債、株式(好循環サイクルの恩恵)、ゴールド・不動産等の実物資産。
9. REITの特性と注意
· 借入を活用するため金利上昇に弱い。利回り5~6%事例、用途別に多様。金利局面で評価が難しく、直接不動産が適する場合も。
10. インデックス長期成績とアクティブ選定
· S&P500は15年保有で平均10.6%など長期で堅調。アクティブで上回る例もあり選定余地。
· 新NISA・つみたて投資で分散・積立を推奨。まとまった資金は2~3回に分割。
11. 世界株式の構図と米国・AI関連
· 世界時価総額の約60%が米国。米国を外すと機会損失の可能性。
· マグニフィセント・セブン(Alphabet, Apple, Meta, Amazon, Microsoft, Tesla, NVIDIA)は多くの投信に組入。AI半導体は追い風。
12. 分散効果、債券・金の役割
· 株式のボラと国債の安定を組み合わせてポートフォリオの振れを低減。
· 金はインフレ・有事耐性、希少性が高い。長期では株と併存で機能。各国の公的保有も需給に影響。
13. 毎月分配型の仕組みと元本払い出し
· 収入超過の分配は元本払い出しで複利を損なう。例:USリートオープンで分配金15円のうち毎月約12.5円が元本払い出し、年約150円の元本減。
· 分配を欲するなら「分配なし」で必要時に解約が合理的。予想分配型はタコ足回避設計でも複利低下のため基本非推奨。
14. 為替ヘッジの考え方
· ヘッジは金利差がコスト。円安局面で長期投資にヘッジは不利になりやすく、急激な円高確信時以外は基本不要。
15. リバランスと逆張り戦略
· 上昇資産から低評価資産へ配分を戻すリバランスを定常運用に。下落時に買い増す逆張りファンドの存在にも言及。
16. ファンド選定基準と資料活用
· アクティブは純資産100億円以上・運用5年以上を推奨。繰上げ償還リスクとコスト増を回避。
· 運用報告書・月次レポートで組入・方針・費用・実績を必ず確認。インデックスは残高大・低コスト・連動性重視。
17. テーマ型・国集中のリスク
· 半導体・AI等テーマ型は潮目で急落。国集中も政治リスクで脆弱。アクティブ横断分散や広範インデックスでバランスを取る。
18. 無料情報・比較ツールと実務補助
· 投資総合検索ライブラリー、モーニングスターでシャープレシオやランキング比較が可能。リンクで即参照できる準備。
· 講義中の進行(休憩、資料、機材配慮、Wi-Fi対応)など事務的補足も共有。
19. 日本の家計資産と制度活用
· 現金偏重からの脱却が課題。新NISA恒久化・iDeCoを活用し長期の規律を持つ。講師の年金口座も世界分散で長期に倍化の実体験。
20. MRFの実務と周辺商品
· 総合口座で自動適用、拒否も可能だが保護面で非推奨。ATM連携やMMF/中期国債ファンドの代替局面もあり。
21. ポイ活のレバレッジ運用
· PayPayポイントでS&P500の3倍・逆コースを「遊び」として活用する事例。長期分散投資とは切り分けるべき「邪道」。
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